カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

春の祝宴

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人間の義侠。任侠とハードボイルド。そしてワンダーランド。春樹の書いたフィクションが年譜的作家の時系列のブレークスルーであった文学概要をパラダイムシフトする。

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前菜の酸味。滑りの味わい。旬を見極める味覚の鋭敏さ。皿の小宇宙をパースペクティブに味わうには創造的主体の積極果敢なアプローチを要する。イメージ喚起のトリガーを動員せよ。

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鳴門の鯔ぼら。へそ。不可思議な発見と味覚体験。肉質が種を越境する。根源の食経験。辺見庸「もの食う人びと」の感興を思い出す。知の冒険を根底から支える食の冒険。旅人の配信の中身はほぼ全て食体験だ。何を食べたかどう味わったか。説明も解説も全てそのトピックに収斂される。旅することは生きながらえる瞬間瞬間の感動なのだ。何を食べたか。その世界さまざまな場所での記憶は全ての原点になる。

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お椀の宇宙観を体感できるシーン。出汁のマグマが溶け込んだ永遠原理。まさに「三体」が描きたかったコンテンツが含有されている。文学の感動も実は味覚の感動に及ばない。なぜならば何百何千読まなくても味わえる世界なのだ。それは生きとし生けるもの生々世々の記憶になるからだ。知的レベルと五感総動員のレベルはレイヤーが違いすぎる。

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何故お造りが精髄なのか。リアルだけでは語りつくせぬ生命の脈動の再現があるからだ。死んだ魚の生身を料理は模擬的再現性の物語を孕む。ナラティブの誕生だ。

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会席料理の割烹の作法の時間軸。鯔の焼き。レモンは広島ではなく八丈島。柔らかい糖度のある酸味の妙味。

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利守酒造の赤磐雄町。雄町ファンには堪らない。

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ボラ鍋のお裾分け。多謝。もみじ醤油のからみ。

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蕗味噌。これだけで雄町を楽しめる。

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水菓子。

フルーツでしめる。