開高健「花の終る闇」をせっせと読書中だ。未完結ながら「闇三部作」としてセットされている。ロベルトボラーニョ「2666」は誰が最後を書き足した。作家の突然の死で未完にするのが惜しかったのだろう。手塚治虫「グリンゴ」も未完だった。漫画は誰かが描き足すことは不可能だったのかも知れない。
さて開高健はスランプの私を綿密に書いている。私小説なのか。魔術リアリズムの一人称語りなのか。日本の東京が舞台のようだが。作家が書けない苦悩をリアルに書く。書きたいことがありすぎて書けないジレンマ。何を書くのかを選定する難しさ。
何年も毎日イラストを描き続けた男が一番苦労したのは「何を書くか」だったという。お題をもらって何かする。ニュースの話題をいつも解説するネットの有名人たち。どこまでの素養と見識を専門的に持っているかではなく。日課としてこなす感じ。
開高健をこれから本格的に読み込んでいきたい。