カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

秋が加速する。 読書の秋、今こそ長編小説がおすすめ。

 

今日も秋の深まりを感じながら「夏の闇」を読み進めた。多分実在モデルの女性を小説の虚構の中に封印した作品だと思った。佐々木千世。ある大学の名誉教授の女性が追憶の文章を書いた。開高健は釣り好きなサントリーの元社員で今は社長の悪評がすごいが。

もうそんなには酒も飲んでいられない。良質の睡眠をゲットするには酒は厳禁だね。酩酊の文化がコミュニケーションの基底部をなしてしかも個人主義の風土を精神的にもたからしめる。フランスが大好きだった開高健のグルメ本も読んでいこうと思う。食と性。開高健の旅を祝祭で彩ることはない。戦場の臨場。食卓の戦場。

「死霊」を併読中だがなかなか面白い。長編小説をどんどん読み終えたい。読み終えても何回でも読めばいい。「カラマーゾフの兄弟」「魔の山」「重力の虹」「2666」何回でも読みたい。

飲食店の店主は同じ店に何回もいかないという。どうしてなのかな。料理人はそんなに外食にこだわらないからか。自分の料理と他人の料理を比べる暇がないからか。三島由紀夫は書くことに分け隔てはないと語った。書きまくることにせんびきはないと語った。無頼を自負した私小説しか書かなかった作家は「無料の文章は一切書かない」と語った。その急逝した作家は長編小説を書かなかった。彼の大好きだった作家も長編小説を書かなかったが。