カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

「村上春樹を読むといい」

 

 夏も終わりだけど、村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』を読み終えた。もう40年以上も前の小説だ。ブックオフで150円で買った。講談社主催の群像新人賞受賞作。芥川賞の候補作だった。落選。その後の『1973年のピンボール』も候補作だったが、落選した。

 初めて本作を読んだのは大学二年の夏休みだった。知人の建築会社で下水工事の補償で家屋調査の助手をした。朝、都営地下鉄で現場に向かう途中、読んだ。所属していた文学研究会の先輩が「村上春樹を読むといい」と教えてくれた。簡素な文体だ。主人公の時間に凄く親近感があった。読みやすかった。処女作は凄く重要で後々まで様々な文学的ファクターが含有されている。

 今読み返しても面白い。また読むだろう。本は何回読んでもいい。またあの賞を巡る季節が近いな。

 

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