カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

やはりノスタルジーは心の憩いだ

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都会に生活していると、ふと自分の原風景を思い出す。幼少より遊んだかの山かの地。

 

作家宮本輝は今や文壇の重鎮だけど、芥川賞選考委員の筆頭的存在だけど。この作家の小説作法に異を唱える作家もいるけど、私は好きだ。村上春樹と同世代の物語作家として古かろうが説教臭かろうが好きだ。

 

その宮本輝の『田園発港行き自転車』は確かに北日本新聞社の新社長から懇請があって新聞連載したわけだけど、地方新聞のエリア的な文学要請も重なって、郷愁のリテラルが如何なく描かれる。しかも京都の舞妓の悲話も織り交ぜながら、輝氏お得意の出生の秘密の謎解きも絡めながら。大人の物語。存在感のあるカリスマ的人物が登場する。

 

やはりノスタルジーは人間にとって心の憩いなのだね。

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