カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

「金看板」や「名刺」となるノベルを日々綴っているか。思い入れとも違う運命のノベル。作品が作者を別世界へ誘う。

 

恥を知れ。

 

怖い言葉だ。当然、言ってる人間は彼の恥の領域規準がある筈だけど。

でも恥って何だろう。自分優先、つまり自分の気分や利益を最優先にする輩は他者からの「恥を知れ」を関知しない。

 

自分が損をする事を恐れて、気分を害される事に怯えて。自分を納得出来ない。承認が欲しい。敵は殲滅あるのみの闘争集団に帰属している..。

 

作家の宮本輝が或る映画監督とNHKに出た。駆け出しの宮本輝は励まされた。
水上勉という先輩作家に「お前には金看板があるやないか。もっと自信もたんかい」と言われた。

 

「どれが金看板なんですか?」
「『泥の河』やな」
「もっとあったら言ってください..」
「『錦繍』があるやないか。キンシュウ..」
「おおきに、えらいおおきに。もっとゆーてください..もっと..」

 

そんなシーンを独特の関西弁イントネーションで語った。書き手に取っての金看板。作家宮本輝にとっての金看板..。

 

フリーターの雄、村田沙耶香は師匠に「名刺代わりになる小説を書きなさい」って励まされた。

 

玉川大学を卒業してからずっとコンビニバイトを今も続けている。その彼女の聖域「コンビニ」を舞台にあの「コンビニ人間」は執筆された。

彼女は本作で芥川賞を目出たく受賞する。小説の師匠を彼女は宣揚することができた。素晴らしいよね。

 

「金看板」や「名刺」となるノベルを日々綴っているか。思い入れとも違う運命のノベル。作品が作者を別世界へ誘う。