第二土曜日。今週末は温暖らしい。物語はやはり没入感や親近感そして感情移入の謎と余白が欲しい。他人事の白々しさより身近な切迫や希望安寧がいい。最近よく見るネット配信は「旅家氏の車中泊」動画だ。来月に初のエッセイ集を新刊するそうだ。車の荷台に家を作って小さな旅に出る。音声はBGMと生活音。字幕も敢えて日本語にしている。初めの頃外国語のコメントだけだった。今や200万近くの登録者になっている。信州の山間部のアウトドアの旅家スタイル。旅配信にありがちな饒舌な長口舌も一切ない。静寂なモノトーンの時空が癒す。コメントの多くも「リラックスした癒しを感じる」と書き込めれているのも納得だ。温泉に入ってから自作の晩御飯を作って食べて片付けてしばし夜をげーむしたりまったりして。寝る。起きる。シンプルイズベスト?場所を不明にした旅先の多くはありふれた日本の山間の駐車場だ。ひけらかしもマウントも優越感や下世話な日乗を脱却する。マンネリも繰り返されると質的変換もあるようだ。アイロンストーブの灯火が幻想的な幻惑の美を揺らがせる。雪中の旅。全て自作の空間で空を感じさせながら削ぎ落とされていく感情が静謐へ向かう。
人間の音声がどれだけ人間を惑わしていたのか。そう思ってしまう。