カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

『三体』三巻読了!

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思えば時間かかったけど読了できて感無量だ。傑作小説を読み終えていつも思うのは全部、長編しかも特大巨編だという事実だ。

 

「人間には二種類あって『カラマーゾフの兄弟』を読んだかそうでないか。僕は4回読んだ」村上春樹のような人間もいる。最近亡くなった資生堂の名誉会長さんも絶賛した『2666』ロベルト・ボラーニョや『重力の虹』のトマス・ピンチョンの最高傑作も皆大いに長いね。劉慈欣の本作も間違いなく巨大長編だ。

 

イマジネーションの淵源ですらある宇宙物理学から援用される文学イマージュの数々。

 

やはり宇宙にまで広がった悲恋の面白さ、これがわからなきゃって思うけど第三部『死神永生』だなぁこれは最高にいい。やはり人間ロマンスを書くべきなんだと思う。文芸作品なのだから。

 

世界観へのアプローチとアクセスの壮大な醍醐味がSF想像力を駆使した本作の魅力だ。荒唐無稽でもなんでもない。想像力が全てのキーなのだから。