カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

この事件でドクターキリコの事件を思い出した。

www.yomiuri.co.jp

全く凄まじい事件だけど。丁度ハンナ.アレントの本を読み終えたんだけど「アウシュビッツの裁判」の論考が印象的だった。

 

この犯人の白石って男はまるでナチの「絶滅収容所」の牢番の如き役割を果たしたようにも思えちゃう。

自分で死を望む絶望の人間と無理矢理に国家施策で絶滅人種に指定され、収容され、選別され、死を待つのとでは大違いだけど。殺人の現場の磁力は同じだったのかも知れない。怖い怖い。

 

そのうち殺人にも慣れて来たとか、供述してるけど、これはアレントが問題提起した「悪の凡庸さ」に通じる気分なのかも知れない。

思考停止の怖さ。判断の純粋無垢な繰り返し。

 

犯人に「間接自殺」があったとかの精神科医だか大学教授の意見もあるけど、どうなのかしら。ツイッターに溢れる自殺願望のツイート..。これは凄まじい現代の闇だけど..。

 

悪の凡庸さが拡散するネット空間ってますます怖い。

 

ドクターキリコの事件を思い出した。