快晴。気分の爽快?九段さんの「東京都同情塔」をゆっくりあいまいに読んでいる。新宿御苑に刑務所が建設された。設計思想と建築思想。カタカナと漢字。言葉の意味内容を勝手に変容されることに違和感が麻痺する。霞ヶ関文学や東大話法のレトリックそしてずーっと続く国会答弁の質低下や拒否言い逃れなど。この作品は意外に読み難く楽しくもある。改革ビジネスでも思いつかない新宿御苑にタワーを建造する事実。まるで上野不忍池や井の頭公園のような恩賜不動産を再開発するような驚きの着想が面白い。刑罰をここまで文学的に変容できるかどうか。罪と罰をその行為そのものを罰するのではなく環境不備の必然の罪科解消を同情で処理する話は罪刑法定主義を根本から覆す新説だ。政治的プロセスもなしにいきなりの異世界設定のごとき奇想天外さが純文学を超えたエンタメとなるのかどうか。はて。