カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

温故知新ならず。

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日本酒を呑む。食中酒というカテゴリー。料理はそのまま食べ終えればいい。だけど、祝いとか分ち合いとか団結とか結束とか忠誠とかいろいろな記別が課せられる。集団団体組織様々な人間の関係性においての内在的な必然であり顕在化する罠でもある。その罠が酒だ。乾杯って何だろう。長渕が歌ったあの祝いの場での誓いの古臭い歌。しかも汗臭くて涙未練がましい。下手な歌詞の文言オンパレード。でも僕は好きだった。大昔、高校の修学旅行でクラスの副担任がこの歌を歌った。バスの中、マイクを握って。

その副担任の化学の先生は毎年緒恒例行事、新入生が入って来ると在学の連中が「応援歌」と「校歌」を体育館で教え込むオリエンテーションに異議申し立てた。学生の自治に敢然と熱血の教師が立ちはだかった。

あの時は、車山だった。突然の雷雨でびしょ濡れになった修学旅行中の僕たちを気遣い、「大丈夫かぁ!」何回も点呼をとり土砂降りの雨の中へ。バスの奥でタオルにくるまった担任豊田。古文教師。副担任は何回も出たり入ったり。温故知新。

 

鳴門からの鱸すずきだ。肝も新鮮だからこそ。酢橘と塩でいく。流行りの熟成なんぞいらん。新鮮こそ命。温故知新ならず。

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