柿の木と猫。
動物には縄張りがある。弱肉強食の理だ。
大猫に襲われ逃げ惑った末に柿の木を登った寄り目の茶虎。メス猫だ。
今朝未明にも大絶叫の猫らの咆哮が延々続いた。寝床で寝ぼけながら思う。
去勢されている猫達だが、このシーズン、止ん事無き発情のうねりでもあるのだろうか。テリトリーを侵害した猫に威嚇し居直った末の騒擾だったのか。
彼らを室内から観察する人間によってこの写真のアングルは定位する。
諺に「漁父の利」という、誠に冷静さを欠くと不利極まりない事態に陥る教訓もあるけど、猫達の争いは領土問題を延々と解決出来ない我が国の国際情勢の不手際と似る。目先の危険や利害に気を取られるともっと大きくて厄介な災禍に見舞われる。
撮影に飽きた人間が煮えたぎった油を彼らに見舞うことだってある。努々、油断せぬよう。柿の木の教訓とでも肝に命じながら。