雨が上がった。しかし晴れない。曇りどんより。ラーメンアクションを今年も積極果敢にやっていきたい。小説読書では村上春樹長編小説再読会を粛々と継続中で今や『騎士団長殺し』を快楽読書中だ。絵画を巡る小説展開は『海辺のカフカ』でも試作済みだけど画家と小説家の関係性が独自に浮かび上がる趣向は興味深い。比較文化論のような社会学のアクチュアルな展開のような面白さもある。確かにこの作家は音楽を聴く側の嗜好から描写する。もっと能動的な側面からのアプローチもいいわけで演奏家や作曲家を小説に取り込んでもいいかもしれない。あと母校愛の深い作家でもあるわけだからW大学の社会的な意義のような文化の要塞のような機能までも敷衍した作話も期待したい。もう80歳近くまでやってきた。感慨の団塊世代も崖っぷちの時間論であるわけで人間存在の残余の悲哀も含めながら人生総仕上げの誠に活動闘争の如き文化芸術の様相を呈してくるのも事実だろう。何気に思えば村上春樹は戦争の記憶を小説に挿入している。自虐でも愛国でもいいけれど歴史の解釈は意識的に批判的な方がいいかも知れない。解釈論は党派的で政治的でセクト的になるという必然性を前提にもっと理性的な距離を保つ方がいい。売国もここまで来れば愛国にもなってしまうかも知れない昨今の外交エトセトラだ。