カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

村上春樹『1Q84』を再読スタートした。

村上春樹1Q84』を再読開始して楽しい。音楽の音響が物語に通奏低音のようなバックグランドに採用するのは面白い。「シンフォニエッタ」発売の年の全国吹奏楽コンクールで自由曲にこの曲が多く採用されたのも面白いわけだけど。NHK受信料の集金人の息子天悟がふかえりの空気さなぎを書き直す話を持ちかけられたあたり。編集者小松の提案がその動機が「芥川賞」を嘲笑いたいという。小説のモチーフの亜種として作者の思いがストレートに滲む。2回ノミネートされた春樹だった。三度目はなく。あとNHKへの暗喩な批判。この小説は私も好きで完成度も高い。間違いなく村上春樹の代表作だ。国谷さんの「ズームアップ現代」でも特集されたけどNHKへの思惑は触れていない。

文芸評論のような作者の意図することの解釈はあんまし興味がなくて読んだ感想は物語が面白いことに尽きる。その規準は読みながら小説を書きたくなり読み終えてから実際に書き進めるインパクトがある小説が私の名作のポイントだ。だから長編小説であることが凄く重要なのだ。ロングタイム読書しながら生活することができる小説が傑作の読書の肝要なのだから。