額賀澪の青春音楽小説『風に恋う』を清々しく爽やかに読了した。
いまどきの「ブラック部活」という実態もあれだけど。必死に練習しないと上手くならない。
読みながら自分の高校時代の吹奏楽部の思い出が蘇った。私はテナーサックスだった。
主人公のアルトサックスって男子だけど。実は女子が吹くよね。圧倒的に女子なんだ。
何故か。サックスは入門しやすい。サックスって重いんだ。首が疲れる。唇も凄く痛い。サックスは楽器を吊るす。この小説の作者も実際にサックスを吹いた筈だから。その演奏の辛さも知っている筈だ。
サックスはJAZZが主流だ。吹奏楽団の奏でる交響曲のクラシカルな音律その荘厳そして厳粛は大切だ。音楽は楽しいだけではない。正しく清く美しくなければ。
今風に言えば「正直であり公正でなければならない」かも知れない。
音楽コンクールに向かうOBのコーチと吹奏楽部員たちの奮闘がいい。ソロを巡っての葛藤とかね。
もっと「恋愛」があってもよかったかもね。音楽は愛やら恋を奏でてしまう。
思うけど音楽は競技じゃない。競技じゃないけどね。