カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

復興と風化。支援というビジネス。

 

2011.3.11。東京もかなり揺れた。JR高田馬場駅は入口のシャッターを下ろした。ソフトバンクは店を閉めた。大通りは徒歩帰宅の大群だった。途中の居酒屋は繁盛した。

 

首都圏直下ともなれば大惨事は必至。津波原発の事故。地震列島、災害大国の我が国日本。

 

七年の月日が経った。実感はない。地震直後の不安定な余震の続いたあの日々。原発事故のネット情報に釘付けだった。実は首都圏はかなり深刻な事態になっていた。原子炉格納容器を設計した後藤さんや左派反原発の研究集団など。

 

街灯も消えコンビニやスーパーが空っぽになった。電気が足りない電気が足りない。コンビニやパチンコが電気を無駄遣いしているとか言った知事もいた。原発東京湾沿いに造りたかった御仁である。全くの晩節を汚した築地移転問題も責任は取らなかった。

 

電力供給不足に陥って輪番停電が実施された。日本にいた外国人は自国へ帰った。身近にいたドイツ人夫妻も大阪へ避難した。多分チェルノブイリの教訓があったのだろう。

 

半年後にそのドイツ人宅でパーティがあった。焼き肉屋で意気投合した看護士の奥さんとその旦那は自衛官だった。

 

地震発生から三十分後には現地に向かっていました。被害状況の調査です。自衛隊機で緊急発進しました」

 

放射能..。風評被害を広めるなとかいう言説で危険性も安全性も払拭されて曖昧になっていく。災害は諦念を加速させる。

 

今日、フジテレビ「ボクらの時代」に糸井重里サンドイッチマンが出演した。震災復興活動を行っているらしい。気仙沼...。

 

糸井は語る。

 

「ベッドの下にスニーカーを置いて寝てたんですよ。寝る前にバスに水も張ってましたでも...」

 

今はなーんにも地震対策はやってないと言う。

 

「それって風化ですか?」

 

サンドイッチマンは言う。