カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

山手線の混乱..。

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JR山手線が混乱していた。電車が来ない。新宿駅から渋谷駅へ行こうとしていた。午後6時、10分前の土曜日である。

 

その日は中央公園の中にある新宿区立の施設でサイエンスカフェ「デニムと生きる」セミナーがあってその後、毎月通う馴染みの和食店へ行く予定だった。新宿から渋谷へ行く流れであった。

 

「山手線は只今電車に遅れが出ております。線路内に人が侵入しました。運行に乱れがでました」みたいなアナウンスが構内に響く。というか面前に圧倒的な群衆というか電車を待つ人間が溢れている。ぎっしりと..まるでいかめしの飯粒のように、しっかり汁まで染み込んで湯気まで立てて..。そして否応も無く巻き込まれイカめしの飯粒となってゆく..。助けてぇ。

 

やばいぞ。これはやばい。何か途轍もないことがおきるんじゃないのか。テロとは言わないけど..それ同然のそれ以上かもの..恐ろしいことが。

 

1995.3.20.朝、あの時、地下鉄に乗っていた。ラッキーにも東西線にはサリンはバラまかれなかった。テロ集団は日本の行政を支配管理統制する国家官僚の都である霞ヶ関をターゲットにしていた..。

 

電車が茅場町についたとき、何か感じたことのないどよめきと言うか地下経路の空間伝いに蠢きが伝播された。体感の総合性を襲う不穏な熱波のような気持ち悪さ、不気味さ、その先には未曾有の地獄絵がまさに地下に広がっていた..。

 

地下鉄サリン事件である。無差別テロ..。日本にも起きたのである。テロテロ。

 

電車は来た。満載である。人間というより物資物品のトランスフォーメーション。

 

あぁ人間に戻りたい。さようなら。