カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

妙に重いロッカーだった。何個カツラを入れりゃこんなに重くなるんだよ。

 

パソコンやネットがブームになって来た頃、会社のある部長が一切、自分のパソコンには触らず、部下の女子社員(もちろん不倫ですな。下の世話も..)にメールの受信トレーからいちいちプリントアウトさせていたのを思い出した。

 

「おい、カミヤッサン!メールのプリントどうなってる?おい!」

「すみません。忘れてました、アハァ」

「何がアハだぁ?おい、おい!」

「部長、おかしいです。わたしの好意でプリントしてあげてるんですけど」

「何を!ふざけるな。チクショー、この野郎ぉ〜。覚えていろよぉ、覚えているよぉ」

 

痴話げんかだった。オフォスラブの不倫の凄惨な現場である。

 

その部長はカツラ疑惑もあっていつもパンチパーマで髪型は変わらない。業績悪化でしょっちゅう部署のレイアウト変更や人事異動が繰り返されていた頃でもあったけど。

総務部から通達があった。またもやレイアウト変更である。

 

「高橋、この扉あけろよ!」

「どうして?」

「●○部長のヅラが何個も出て来るんじゃないか?」

「嫌だぁ。絶対嫌だよぉ」

 

妙に重いロッカーだった。何個カツラを入れりゃこんなに重くなるんだよ。