カレーたまごの日記

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NHKスペシャル「本土空襲 全記録」 が放映された。

2017.8.13

昨夜、NHKスペシャル「本土空襲 全記録」 が放映された。45万人を殺害した前代未聞の都市無差別殺戮である。ボーイング社開発製造のB29から開発強化されたナパームの焼夷弾が2040万発、日本列島を焼き焦がした。

今回のNHKの放映は機密性の高い秘蔵フィルムのオンパレードである。ガンカメラの写す爆撃のリアル映像は残虐で嗜虐な暴力行使の一端を鮮明に映している。 反戦非戦を政治的スローガンに置き換えて党派性の利敵的憎悪で対抗したり戦争だから仕方がなかったというプラスマイナスゼロの拮抗性で中和するロジックも空しくなるほどのリアルな映像である。米国を敵に回す愚が歴史的事実によって明らかである。今、北朝鮮はその日本の犯した愚を犯そうとしている..。

疑問はもう完全に敗戦になることは明白だったあの時点で日本列島に気が遠くなるほどの天文学的な爆弾を落とし続けたか?爆弾会社はどれだけ儲けたのか?ノーベル財団はどれだけ儲けたのか?戦後、大量のB29はどうなったのか?

まるで日本人を一人残らず抹殺しても全然足りなくてナチスユダヤ人に最終的解決と称して実行したジェノサイトをも凌駕する残虐さその凄まじい規模なのである。ドイツではその絶対悪を根絶する決意を固めた。片や戦勝国米国はますますB29からB52へと戦略爆撃をグレードアップしていった。北朝鮮が起こした朝鮮半島統一の南進への対抗措置として広島長崎以降の次なる原爆投下が33発も計画されていた。辛うじてシビリアンコントロールはあったのだが。

軍の論理は冷酷無比で如何に効率よく殺人できるか。防衛とは対抗する戦力総体への無慈悲なまでの暴力行為の正当化に他ならない。

米国は日本全国空襲を「自衛の攻撃」と正当化してきた。原爆投下の正統性も本土空襲に比するほどでもないとの論理もあった。

今回のNHKの仕事は全国に散らばった民間無差別攻撃の実態解明への大きな前進だ。