カレーたまごの日記

小説やノベル、文芸について書きます。

小説「蜜蜂と遠雷」を読んでいる。

今日の東京新宿は最高に暑い。小説「蜜蜂と遠雷」を読んでいるけど面白い。流石だね、恩田陸直木賞って凄いよね。そろそろ直木賞の選考が始まるけど。「butter」かなぁ。練炭女の物語らしいけど。柚木麻子。「ランチのアッコちゃん」がよかったね。蓮佛も戸田もNHKのドラマも楽しかった。直木賞受賞したら作者が獄中の女から「名誉毀損で告訴」されちゃうかもしれない。小説はフィクションだからとは今更いえないらしい。死刑囚でも名誉毀損できちゃうこの法治国家の凄さだよね。なのに..現実は甘くないようだ。罪を償いとかのレベルではなく。

さて恩田陸のこの小説は楽しい。文学と音楽は相性がいいし同じ時間進行の表現性の親和もあって楽しい。本作はピアノコンクールを巡る四人のピアニストのお話。コンクールという多層的な対立状況の設定がより物語を劇的にする。でも音楽は一人の独奏よりも他者と交わって合奏する方が面白い。演奏会だね。楽団の役割。スコアの配置。一つの音を団結して奏でる。特に高校生の演奏会は学年別のセンチメントが交差して切ない。最後の演奏会ってやつだね。

でも記者会見の時恩田陸も質問されていたけど文学賞の選考委員会を舞台にした小説を書いて欲しい。受賞後はディストピアな小説を発表したみたいだけど。あるかもしれないだろうの小説は別に南米の魔術的リアリズムのようなインパクトもない。圧倒的絶望の政治体制においてもうこのままでは死ぬしか無い、殺される。ならば闘おうではないかという切羽詰まった社会状況においてさえも言論に有効性は見いだせない。ただ読んでカタルシスを覚える。文学は所詮..。文学選考会を題材にしたユーモア小説って業界タブーだから絶対書けないだろうな。だって選考委員ってずっとやり続けたいよね。作家は人の書いた小説の文句がいいたくてしょうがない。いい作品にこしたことはないけども。